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サクラ先輩・・・!
背後から聞こえた自分を呼ぶ声。
それにクルリと振り向けば、最近医療忍術を学び始めたばかりのくの一が二人。
若い彼女等が、キラキラとした瞳でもって自分を見つめ駆け寄ってくるのが見えた。
「先輩!」
「何?どうしたの?」
「あの!ちょっと教えて欲しい事があって!」
彼女達の純粋な探究心は、観ている此方までもが微笑ましくなるぐらいだ。
そうだ、過去の自分もこんな風であったな・・・。
『綱手様、お願いです!どうか・・・私に医療忍術を教えて下さい!』
サスケ君を連れ戻す為に!
今度こそ、彼をこの手で、そして帰っておいでと説くのだ!!
その為の決意。
決して生半可な事では得られぬ力だと覚悟はしていた。
そして実際に綱手様からの指南は、時に辛く耐えがたい事が多々あった!
でも決してくじける事なく、常に上を見ていたあの頃自分。
そんな己の過去と、今眼にしている後輩等の顔つきがどこか被り、私は思わず目が細まる。
「あの、サクラ先輩?」
「え・・あ、何?」
「えっと・・・その!」
私は二人に向かい小首を傾げる。
教えて欲しい事があると言う割には、何故か言い辛そうな顔をしている一人の娘。
もう1人に至っては、すっかり聞き役に回っているようで・・・。
「早く!ちゃんと聞きなさいよ!」
「分かってるって!あの、その、先輩?」
何だろう?
私は二人を見やりつつ、頭の中で質問の内容を推測する。
この間教えた術についての事だろうか?
それとも、それ以前にあった課題の件か?
「さ、サクラ先輩は・・・その!」
「うん?」
「あの・・・もしかして!」
「もしかして?」
「ナルト先輩とつきあってたりするんですか!?」
「・・・。」
まさかのまさか。
こんな質問をされようとは!?
思ってもみない内容なだけに、一瞬呆気に取られた。
何?私が・・・ナルトと!?
「何?どうして・・・そんな風に思ったの?」
「だって、サクラ先輩の傍には、気がつけばいつもナルト先輩が居るから・・・。」
「えぇ?」
「サクラ先輩とナルト先輩って、アカデミー出た頃同じ班員だったんですよね?」
懐かしい事を尋ねてきた一人に、私は頷き微笑んだ。
そう、まだアカデミー出たてのヒヨっ子忍者であったあの頃、確かにナルトとは同じ班員だった。
そして、同じく『彼』も・・・!
「班員仲間だった時も、別々になった今も、ナルト先輩はサクラ先輩一途って聞きました!」
「だから、ついてっきり・・・お付き合いされてみえるのかと。」
どうしてナルトの気持ちに応えてあげないのか?
もうどれぐらいの間?
アイツは変わらず、真っ直ぐに私を見つめてくれているのに?
「そうね・・・。」
アイツの想いに応えてあげたい。
そう思う時も確かにある。
でも、それが自分の本心なのか?と問われれば・・・。
「多分・・・まだそういう気持ちになれないからかな?」
「そういう・・・って?」
「うん。まだ・・・成し遂げていない事があるから。」
私がこの力を身につけたのは何のためのなのか?
数々の苦難を乗り越え、綱手さまより備わった今の術!
これは、『彼』を連れ戻す為の力なのだから!!
・・・サスケ君、貴方を今度こそこの手で!
懐かしい、旧7班の頃のように戻れたらいい。
願いは一つきり!
今はとにかく、それだけを願って!!
「ほらほら!私の事なんかより、貴方達にはやるべき事が沢山あるでしょう?」
「っ!?」
柔らかい口調でそう言ってやりながらも、目は厳しく後輩を見やる。
色恋に現を抜かす暇があるのならば、修業の一つでもしてなさい!
「あ!なんなら、私もちょうど手が空いてるし、直に指南してあげましょうか?」
「え!?」
「医療忍者、心得その一!如何なる時にも、敵からの攻撃を受けるべからず!」
「ッ!!!」
「私が敵役となって貴方達に挑んでいくから、それを上手く避けて・・・。」
「あっ!あの・・・私達これからちょっとばかり用があって!」
私の言葉に、すっかり顔色を落とした新米忍者二人。
そうして『すみません、失礼します!!』と叫ぶと、風のように去っていってしまった。
そんな彼女等を微笑ましく見送って、私はソッと己の掌を見つめる。
・・・いつかきっと!
そう、またいつの日か、繋げる日が来ると良い。
ナルトと私、そしてカカシ先生と・・・そして『彼』とこの手を!
・・・きっと・・・きっとね!
サスケ君・・・!
ギュッと強く強く拳を握った。
そして私は窓の外、『彼』へと続く地平線の彼方へと目を向けたのだ。
突発妄想文でした。ちゃんちゃん。
夕刻、薄闇の到来だ。
遠くでカアカアと啼くカラスの声を聞きながら、私はその赤い地の果てをジッと見つめた。
『行かないで・・・!』
叫んだ己と、振り向かなかった彼の背姿。
幼かったあの頃、我武者羅になって引きとめようとした私。
『そうだろ・・・ナルト?』
再び会いまみえた彼は、その姿も力も鋭く鋭利なモノになっていて・・・。
恐ろしいまでの術の進歩。
あの空間内に解き放たれた千鳥のチャクラ力は、ナルトもサイも、そして立ちはだかったヤマト隊長すらもねじ伏せたのだ!
『俺とお前等とは、住む世界が違う。』
本当に・・・そうなんだろうか?
馬鹿な私は、あの時の彼の言葉が今だに信じられないでいる。
サスケ君とナルトと私と、そしてカカシ先生と、共にあった記憶の所為だろうか。
だって忘れようの無い、幾多の難関を切り抜けてきたのだから。
彼が私を助けてくれた事もあったし、その逆も然り。
ナルトとサスケ君に至っては、いつも顔を合わせる度にいがみ合って、口煩く罵り合って、そしてそしてそして・・・!
ホワン・・・と両の手にチャクラを練った。
登り詰めた高い木の天辺。
そこで私はピンと立ち、そして意識をスーッと透明にする!
吹いていく風の如く、揺れる木の葉と枝の如く、私は自然と一体になり行く。
・・・ホラ、蔦のように・・・手からつるが伸びて行って!
目標としてある地上に置いた丸太へと、私は意識の中でつるを巻き付け、そして締め上げる!
「っ・・・まだまだ。全然、駄目ね。」
意識の統一の限界とばかりに、私はそこでチャクラを練るのを一旦止めた。
この木の天辺に立ち尽くす事からして、もう既にかなりの精神統一が必要なのだ。
だけれど・・・!
「もう一度!」
諦めきれない訳がある。
それは、もう13歳の頃から願い望んでいた事!
・・・サスケ君を、絶対に里に連れて帰る!
車輪眼と千鳥という、正に強烈な能力と技を持ち合わせている彼の事。
面と向かって戦えば、自分の希望が叶わないどころか酷い負けを喫するだろう!
その為にも、力が要るのだ!!
医療忍者として仲間を助けるだけでなく、ちゃんとこの手を、腕を、足を使い、彼に対抗出来るように。
なんとはなくだが、瞑った目の奥で感覚が掴めて来たような気がしていた。
後はソレを大きく大きふくらませるだけで良い!
そして彼女は再びチャクラを練り上げていく。
辺りを薄闇色のヴェールが覆いだす中、白金色の月光がその身を淡くも白く照らし出していたのだ。
本編終了後、20歳過ぎぐらいのサスサク設定SSです
サスケが木の葉の里に戻っています。
目標を追っているつもりだった。
飛ぶように木の枝から枝へと抜けていく黒い影。
ターゲットは1人きり!
仲間の1人がその者に向かいクナイを放る。
1、2、3・・・合計4本の起爆札つきのソレは、進路を塞ぐように前方と左右の木々へと突き刺さった!
直後!!
ドカンッと大きな音と波動がして、辺りに白煙が立ち込める。
ターゲットは寸での所で回避したものの、バランスを崩して地上へと降下!
そしてそのまま再び素早く移動を開始しようとして・・・だった!!
「っ!?」
用意しておいた追い込みよう落とし穴に、その身を飲まれ墜ちていく。
よし!
これでようやくあの者を拘束できる。
私よりも前を行っていた2人が先に地上へと降り、罠を覗き込んだのだ・・・が!?
「ッ!?避けてっ!!」
そんな二人へと、何処からとも無く飛んできた無数のクナイ!
お返しとばかりに、それ等にはしっかりと起爆札が付けられていて・・・!!
「っ・・・うわぁっ!!」
「ぐっ・・・!!」
不意を突かれて、二人はその攻撃を避け切れなかったらしい。
独りは何とか瞬時に背後へと飛びのいたものの、爆風でその身をしたたかに樹木に撃ちつけうずくまり、もう一人もまた・・・。
「ノエルっ!?」
「くそッ!!」
私ともう一人は怒りを漲らせて、クナイの飛んできた方角へと応酬をした!!
途端に、その茂みから黒い影が飛び出し攻撃を回避する。
「ノエル!」
仲間の元に着地する。
私は一人へと、他方はもう一人へと。
素早く抱き起こしその身を横たえて診察してみれば、脈拍は正常!
ただしたたかに後頭部を打ち付けたらしい、意識は無く、また両肩に酷い打撲を負っていた。
片手をかざし打撲の傷を治しにかかりつつ、もう一方の手で背後のバックから気付け薬を取り出しす。
小瓶に入っているその液体の匂いを彼の鼻先へと持っていき、意識の覚醒を促すのだ。
「お願い、意識を戻して!」
私はそう呟き願いながら、背後にフッと目を向けた。
其処にはもう一人が手当てを施している姿が見えて・・・。
「・・・ッ!」
仲間の名を叫び呼び寄せようとした私は、その瞬間、脇に感じた人の気配にハッと両目を見開いた!
素早く振り返りつつ、私は身を低くする!
「貴様は、医療忍者か?」
ファサと耳の脇の髪が斬られ、宙に舞っていった。
一振りされた敵のクナイ。
その一撃はかわしたものの、ソイツが呟いたその一言を聞いた直後にだった!
「っ・・・う!」
予測の出来ない動き方!
ハッとした時には、もう遅かった。
首の後ろに鋭くも激しい一撃を受けて、意識が一瞬で真っ白になる。
『あぁ・・・』と悔しさ交じりの声を挙げつつ、私の身は地面に向かい倒れこんで。
全てが闇に覆われたのだった。
再び浮かび上がってきた意識の元、話す人の声が耳に聞こえた。
ボソボソと、これは・・・男の声だ。
低くて粗野なその口調は、何をか今後の事を密談しているようである。
「・・・。」
私はゆっくりと両目を開けてみた。
だが、何故か瞼は開かず視界は暗闇状態のまま。
これは・・・?
恐らくは、目隠しをされている所為だろう。
粘着のある物体にて、グルグルと目の周りが巻かれているようだった。
優しさの欠片も無いその撒き方は、顔に食い込むが如く状態。
グッと唇を噛み締めようとして、そこで更に口にも猿轡がしてあるのに気づく。
両手両足も、きっちりしっかりと拘束がしてある。
「それでこれから・・・。」
聞こえてくる男達の声を耳をすまして聞きながら、私は縄抜けの術を試みる。
これまたかなりキツク縛ってはあったものの、なんとか少しずつ緩みが生じてきた。
少し時間がかかるけれども、何とか早く此処を脱しなくては!
男達の声の感じからして、どうやら別室にて会話をしているようだった。
気づかれないうちに何とか手だけでも自由を取り戻そう!!
そう思ったのだけれど・・・。
「逃げようって?」
「っ!!」
直後に聞こえたそんな声に、私はギョッとして身体を硬直させた。
しまった!
この部屋にも、やはり見張りがいたのだ!
カツカツとコンクリート面に足音を響かせて、近寄ってきたその者。
そうして、グッとその気配が近づいた!!
「若いよな、お前?20代前半ってところか?」
「・・・。」
「だが一端の医療忍者らしいし、こりゃ貴重な人材だよなぁ。」
グッと顎筋を強くつかまれ、持ち上げられた。
直後にフーフーと生臭い男の吐息が顔にかかり、私は胸の奥からゾゾゾッと嫌悪する。
しゃーんなろーっ!
この男め、私に気安く触れるんじゃないっ!!
強く怒気を込めてそう思ったものの、更に男が自分へと加えた行為に今度こそ心から叫びを挙げていた。
チロチロと無防備な首筋に感じた、これは・・・そう、男の舌だろう!
・・・いっ、イヤーッ!!
離れてよっ、この馬鹿男!!
目一杯の力でもって卑猥な行為を仕掛けてくる男から逃れようとするものの、視界はおろか両手両足ともに動けない状態である。
そこへ更に、男の片手が私の肩から胸の方へと体のラインをなぞり降りて行く!
「ん・・・これは、ちょっと残念。Aカップってところか?」
・・・なッ・・・!?
コイツは絶対に私が無事に解放されたあかつきにボッコボコにしてやるわ!
陵辱されかかっているというのに、思わずそんなことを思ったのだけれど?
ズバッという妙な音がして、両足が自由になった瞬間に、流石の私も青褪める。
ウワッ!ヤダ!絶対にヤダ!
こんな輩にこの身を晒したくもないし、弄ばれたくも無い!!
どうしよう!?
どうしたらいい!?
考えろ!
脱出方法を、今出来る最善の方法を考えて!
「っ・・・(きゃ)!!」
だが現実は無情。
グッといきなり両足首を掴まれ引き寄せられて、そのまま乱暴に床へと身を押し倒された。
打ち付けた後頭部の痛みに、思考も何もかもが一瞬飛んだりもしたのだけれど。
次いでぐいっと強く両膝を割られて、一気に気持ちが焦りを帯びた!
その間に入り込む、男の身体。
粗野な片手が太股を着衣の上から撫でて行く!
・・・タスケテッ!
自分とて忍。
いかなる時も耐え忍び、自分で道を切り開いていくべきだ!
そう思っては居たものの、此処まで来ると流石に気持ちが堪えられず助けを呼んでいた。
どうかお願いだから、この男をどうにかしてよ!と。
しかし現実は非常、男の手がついに臀部をいやらしく撫で回した!
そうしてその手が足の付け根部分へと移動していく!
・・・サスケ君・・・助けてッ・・・こんなの絶対に嫌ッ!!
そう強く念じた瞬間に、ドサッという音が聞こえ、辺りから男の気配が消えていた。
私は『え!?』と思い、意識を研ぎ澄ませて・・・。
直後に、フワリと優しくでもしっかりと包み込まれたこの身体!
其処に感じた人の気配と香りに私は唖然となり、でも直ぐに大きく胸を緩ませた!!
だって、だってだ!
これは・・・この人の気配は!?
「サクラ、もう大丈夫だ。」
間違いない!
私の大好きな人。
愛しくてでも口五月蝿い・・・サスケ君だ!
「何捕まるようなヘマをしでかしてんだ、お前は!」
「・・・。」
「ったく!」
いつもの如く、アッサリとそう言い放った彼。
でも、それでも・・・だ!
「あんま心配させんな・・・!」
そう呟き、再び強く強くこの身を抱きしめてくれた彼。
私は心の底から感動して、そうして胸の中で彼に詫びた。
「無事で良かった!」
最期に耳元で囁かれたその一言が、いつまでも私の胸に残り響いたのだ。
突発的サスサクSSなので、出来は微妙かも・・・?
あまり深い意味も無いw